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Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜

2019年に再演が決まった「クロードと一緒に」。私の中でも色々な感情が渦巻きすぎて、言語化出来なくてとりあえず見て!!!って言ってるんだけど笑、本当に色々な人に見て欲しいので思ったことを頑張って言語化してみます。結末がわかるぐらいのネタバレがあるのとデリケートな話なので無理な人は自衛してください。

 

2014年の初演では稲葉友/相馬圭祐のWキャストで上演。

2015年の再演では松田凌が主演。

その次の年に朗読劇として松田凌主演で上演。

1967年7月5日、月曜午前10時

カナダ、モントリオール、裁判長の執務室。

容疑、殺人。

自首してきた若い男娼。

外には大勢のマスコミ。

刑事の取り調べは36時間を越えた。

真実だけが見つからない。

 

私再演見れてなくて、朗読劇だけなんですよね!!!基本的には自首してきた男娼イーヴ(凌くん)と刑事(朗読劇は伊達暁さん)の取り調べ形式の対話で話が進んでいきます。この刑事の取り調べが結構怖くて締めあげて吐かせる感じ。でもイーヴは関係ないとりとめのないことを話すだけ。段々クロードとのことをぽつぽつと話し始めて核心に迫っていくわけですが。朗読劇だから言葉一つ一つがはっきり聞こえてとても重い。しかも凌くん動き回るから朗読劇だけど一本舞台観てるような感じさえ受けたし、セリフの時はスタンドマイクのところに戻ってきて話さないといけないからマイクに縛られてる感じがして心底邪魔そうだった。

 

観て感じたのはイーヴがとても繊細で感受性が高くて透明なこと。イーヴが話す言葉一つ一つにクロードのことが好きって感情がいやってほど詰め込まれてる。何だろう、凌くんのイーヴ物凄く美しいんだよな……息を忘れるくらい美しい。観てるこっちも苦しくなるくらい純粋で。汚れを知らない。

 

そんなイーヴ。男に身体を売って生きてきた。それしか出来ないから。そしてクロードに出会う。一緒にいるだけで満たされる関係だったんだろうなあ。お互いがお互いを愛していて、イーヴは初めて愛を知って。満たされることを知って。兄弟。鏡の表裏。僕の分身。ただの恋仲じゃなくて、真っ二つだった欠片が再び出会って一つになるような感じ。でも立場が違いすぎたっていうと陳腐になってしまうんだけど。イーヴは男娼。クロードは学生で彼女持ち。幸せの果て、愛の果てまでいきついてしまった彼らにもう今までの日常に戻ることなんて出来なかったんだ。だから、私はイーヴとクロードの関係を一種の芸術品のように感じていて。イーヴの行為は愛の昇華としての行為で。一つの愛の形であり、愛情表現であり、クロードの自殺であり。めっちゃ抽象的なんだけど。この関係をずっと続けていくことはできない、幸せは長くは続かない。それなら幸せの絶頂でそのまま永遠に時を止めてしまえばいい。

私としてはそのあとのイーヴの出頭した理由も凄く好きで。妙に冷静なところが。最後20分くらいイーヴの独白なんだけど、そこの凌くんが圧巻。

 

本人も稽古の時からイーヴに飲み込まれそうになるっていうくらい、本番中は本当に何か憑いてるんじゃないかって。目つきとか全然違う。あとめちゃめちゃ細かいことを言うと、再演の松田イーヴは金髪で、朗読劇イーヴは黒髪なの。多分それだけでも全然見た印象変わってくる。

イーヴやってる凌くん好きだなあ……あの劇場内に張りつめた重い空気感とか、息をするのもためらうような感じとか、絶対文章だと伝わらない。行って体感して欲しい。3日くらい心が重くて深いダメージを負うけど。私は松田イーヴしか考えられないなあ……2019年はどうなるんだろう。もう一度松田イーヴに会いたい。イーヴの純粋さもひたむきさも不器用なところも全部が尊い。不器用で愛し方を知らなくて、クロードと出会って戸惑いながらも凄く幸せでそんな2人が選んだ結末。それを他人から見てどうこう言うことは無意味でしかないと思わされる。真実は2人の中にだけ。

また出会えますように。

最後にイーヴとしての凌くんのブログがどれも最高なので是非探して読んでください。私と会ったことある人ならパンフも貸すので……

「今日という日、僕はこの世で最もあの人を愛しています」(凌くんのブログより)