自分の選んだ道が、常に最良

推しのキラキラを浴びて生きているオタク

PPVV1

PSYCHO-PASS Virtue and Vice 1と2を無料配信で見ました!3も配信で見る予定なので予習?復習?で見たんですがシンプルに地獄。なんならアニメ本編より地獄。人の心とかないんか?脚本家の犯罪係数いくつだよ???と言いたいことは山ほどありますがまあでもアニメ本編見てなくても用語さえ理解しておけば見れます!私はちなみにアニメも映画もほぼ通っています!

みんな見てしんどくなってくれ。

長くなったので1と2で記事分けます

 

以下ネタバレありただの感想

 

 

 

 

 

 

・ストーリーについて

1は人は何をもって人間と判断されるのか?というのが主軸。自我は、心というものは脳にあるのか、そうでないのか。その検証に使われるのが哲学的ゾンビ中国語の部屋哲学的ゾンビとは、感情や自由意志があるように見えて脳内のマニュアルに従っているだけの存在、中国語の部屋も似たようなもので1枚ドアを隔てるだけで中国語が出来ないのに出来るように見えてしまうという思考実験。また、この舞台ではとある機密のことも指している。その機密をめぐって、ヒューマニストと呼ばれるかつてシビュラと対立した元警察の子孫の組織と公安3係がバチバチやるというのが主な内容。

そしてそこに犯罪係数を偽のデータで改竄され監視官だと思い込まされた嘉納火炉とシビュラに偽の記憶を植え付けられ、自分が勤務初日に母親をドミネーターで撃ったと思っている人工的な哲学的ゾンビの監視官、九泉晴人の対比やら嘉納と大城の関係やら3係のわちゃわちゃやらが絡んできて最後に大爆発って感じですね!後述しますが、嘉納と九泉の対比がほんとに色々なところに散りばめられていてしんどい。つらい。まあ一言で言えば地獄です。

 

・嘉納と大城

この2人は本当にかわいい。執行官になる前?多分廃棄区画にいる時代からずっと仲良しだったんだろうな。執行官になった時もコンビ組んでたみたいだし、ずっとニコイチ的に育ってきたぽい。でも嘉納が監視官になることで立場が違ってしまってもう仲が良かった頃の関係性には戻れなくなってしまった。外回りに行きたがる大城を指してあげる嘉納監視官優しい。

2人で廃棄区画に調査に行くところがめちゃくちゃ好き!嘉納は犯罪係数を偽られて監視官にされてるだけだから嘉納的には何も変わらないし2人きりの時くらいは今までの関係性でいられるかもと思って火炉さんて呼んでいいんだぞって言うのにや、立場が違いますからって拒絶され、嘉納監視官は俺たちの希望なんです!って言われるの可哀想すぎる。本当のことも言えず、逃げ場もなく、元相棒の言葉に追い詰められていく。堕ちていく人間、上がっていく人間の話聞いてる時、どんな気持ちだったんだろうか。監視官という檻に囚われた嘉納火炉。

ライブハウスへの潜入の時、お前は俺を、殺せるか?って聞いたの、殺して欲しかったのかな、止めて欲しかったのかな。お前が俺を殺してくれってもう悲鳴じゃん。壊れて、摩耗して、ギリギリな精神状態の嘉納から発せられた悲鳴なのに殺しませんよ、監視官である限りって言われるの、しんどすぎる。

後藤田と戦ったあと、大城がなんでヒューマニストがあんたの名前知ってんだろうなあって言うところ、声が震えていて、泣き声っぽくてつらい。お前は俺を殺せるか?って聞かれた時からなんとなく分かってたんじゃないかなあ、大城は。最後に後藤田が嘉納の名前出して大城を殺さざるを得ないようにするの、邪悪すぎる。まあ、敵勢力を削るという意味では合理的な判断だぜ流石哲学的ゾンビ。(後藤田は脳をいじってる本物の哲学的ゾンビ)

なんでヒューマニストと?て聞かれた嘉納の俺は俺でいたかっただけなんだって返すのしんどすぎる。これが嘉納の本音なのかなあ。犯罪係数を改竄され、本来なるはずでは無い監視官に、本来の自分ではない自分として生きることを強要された嘉納。ずっと同じところにいたいっていう2人の願いは一緒だったはずなのにな。

でも容赦なく大城を撃てるのが嘉納なんだよな。恨んで欲しいのに、罰して欲しいのに恨んでませんよ、ありがとうございますって言って撃たれる大城、聖母なん???全て許される嘉納、地獄すぎるだろ……そのまま担いで進む嘉納、大城くんの死体どうしたんだろうな……

 

・嘉納と九泉

上にも書いた通り、嘉納と九泉の対比が様々なところにあって、それが後半になって生きてきて綺麗に2人の立場が反転してラストに繋がるの、よすぎる。ため息が出る美しさ。

・執行官は悪だと認識し、犯罪係数でしか判断しない九泉と執行官に分け隔てなくフランクに接する嘉納。

・自分はシビュラに選ばれたエリートだと思っている九泉と自分は人工監視官育成計画の一端で犯罪係数を偽られて監視官をやっていること、九泉が偽の記憶を植え付けられた人工的な哲学的ゾンビであることを知っている嘉納

・中盤で執行官達を仲間だと認識し、どんどん輪に入って活発になっていく九泉と、輪から外れて目に光がなくなり、どんどん孤独になっていく嘉納

・最後にシビュラの操り人形だとしても俺は刑事だと、シビュラと共存を選んだ九泉とシビュラを命をかけて守るべき対象では無い、壊すべきだとしてヒューマニストに協力した嘉納。

・潜在犯は、犯罪者じゃないという九泉と潜在犯はどこまでいっても犯罪者だという嘉納。

2も入れるともっとありますがそれは後述。

この対比だけでも本当に嘉納の闇が深すぎる。潜在犯にフランクで善良な監視官の振りして中身ぶっ壊れてるんだよなあ……ほんとにやばい。めちゃくちゃ好き。

九泉は嘉納にコーヒー入れてあげるし、エレベーターの中で仲良く会話するし、嘉納のこと気遣ってるしきっと頼ってるしずっといい関係だったんだよ………エレベーターの中で会話するシーン大好き。嘉納は九泉のことどう思って会話してたんだろう。絶対嘉納の方が九泉に対して激重感情を抱いていると思ってる。同じシビュラに人生をめちゃくちゃにされた同志として、どこまでも一緒に歩んでくれると思ってたのかな。どのタイミングで全てを明かして自分と共にシビュラを壊さないかって誘うつもりだったんだろう。三島が喋っちゃったから偶然今回のヒューマニスト事件の時になったとかなのか?と思ったけどそこまで深く考えてなさそう!

三島、喋りすぎだ、からずっと声に感情がこもってなくて目のハイライトも消えてて闇堕ち嘉納になってるの切替がめちゃくちゃよい。好き。

シビュラは悪では無いが、悪質だっていうの的確すぎる。まじで悪質すぎ。まあ免罪体質者の脳の寄せ集めだから悪質にもなるよな。

お前も、哲学的ゾンビなのか?て聞かれていや?て答えるところとどうする、九泉?て聞くところの目がめちゃくちゃ好き!!(細すぎる)

俺は犯罪係数を偽のデータで改竄され監視官だと思い込まされた意志を持った人間だって言うところ、(お前とは違って俺は自由意志を持ってる)って言いたいってこと?めっちゃ九泉のこと見下してるやん???でもまあ、犯罪係数を改竄されてるだけで中身そのままだからな……そうでなければもう少し苦しまずに済んだかもしれないのにね………

差し出した手を払われてしまった時のく、せ、ん……???て呼ぶのが完全に平仮名になってて絶望の演技が細かい。

九泉に俺をテロリストと一緒にするな、死んでいった仲間たちの仇だとまで言われてしまう嘉納、本当にかわいそう。三島に言った、シビュラを壊すという利害が一致しただけだ、俺をテロリストと一緒にするな、がブーメランになっちゃってるじゃん!!まあ間違ってないんだけどさあ……引き金を引いたのは嘉納自身なわけだし……でもじゃあどうすればよかったんだよ……っていう。

そうか………って悲しそうに微笑んだあと、目を閉じてやはり分かり合うことは出来ないかって目つきも声色も変えてくるの怖すぎ、最高すぎ、天才???大好き!!!そうか……って悲しく微笑んだ時、何を思っていたんだろう。潜在犯は、犯罪者じゃないって言ってもらえて嬉しかったのか、その裏返しで自分がただの犯罪者になってしまっていたことに気づいたのか。

少し九泉の話をします!九泉晴人が何者なのか、私には結局まだよく分からない。でも嘉納に向かって潜在犯は、犯罪者じゃない。シビュラの操り人形だとしても俺は刑事だって言い切ったのは、3係の皆と触れ合っていく中で記憶とは別に経験から構成された自我によるものだと信じたいなあと思った。私は自我とは周りの人間との交流、それによって得た経験の中で形成されるものだと思っているので。もちろんそれは嘉納との交流も含めて。だから3係の皆に出会えてよかったねって思う。

嘉納はそれを聞いて哲学的ゾンビって返すけど、その返答さえ、マニュアルによって作られた自我によるものだと思ったんだろうか。

シビュラくんはさあ!!人の人生ぶっ壊しといて、君たちの人間らしさとは一体なんだったのかね?とか聞くんじゃないよ!!!全部お前のせいなわけ!!!あそこで突然電波暗室解除するの、絶対2人とも始末する気でしょ!ほんとに悪質なんだから!!!

最後に2人が導き出した自分自身への答えが

九泉「潜在犯は、犯罪者じゃない」

嘉納「やっぱり潜在犯だな、立派なテロリストだ」

で正反対なの本当に対比構造でつらい。

大城には拒否され、九泉にも手を取ってもらえず、誰も隣に、同じ地平に立ってくれない孤独な嘉納の生きた地獄のお話。